鋳
鍛
彫
漆
箔
房
心・技
各部の名称
image

武久には、伝統の各職を束ねる立場と、職人武久との二様の立場がある。
前者は各職の伝統技を守り、育成すること。後者は各職の技の結晶を更に武久の名人技を持って縅し、房をつけ、組み合わせて一領の鎧、兜に仕上げることである。

image 名のある鎧、兜を端午の節句を通して、世に広しめるのも武久の大きな使命。 そのために莫大な費用と月日をかけて、名品を考証し、五月人形として復元する努力も怠らない。

伝統とは何か、職人芸とは何か、を甲冑師の総帥として、また一人の職人として、世に問い続ける平安武久。 その答えは、武久の一領一領の鎧、兜に息づいているのである。



image 日本全国で、年間何十万領もの五月人形の鎧、兜が製作されているが、その中で武久の鎧、兜の占める割合はわずか、まさに微々たるもの。
日本の心、そして日本の伝統技の確かさを由かしい端午の節句の風習を通して、広く知ってもらいたいと願う武久にとっては不本意なこと。
しかし、手づくり故、妥協を許さない名人気質の伝統職人の手になるが故、それは武久の宿命ともいえる。
この武久を支えるのは、「京もの」であることの誇り、自負。

一方、広く端午の節句の風習を伝えるという面では、武久の願いを叶えるのが、機械による大量生産の道。武久はこれも現代の甲冑師としての一つの道と心得る。

ただ、平安武久の名がある限り、その道はとらない。
平安武久の名は永遠に守られ、受け継がれていくだろう。