鋳
鍛
彫
漆
箔
房
心・技
各部の名称
image 房師の仕事場は艶やかそのもの。
緋、朱、萌黄・・・何十色もの糸が小枠(こわく)と呼ばれる糸巻きや、竹製の糸繰機に巻きつけられ、無造作に置かれている。

赤糸縅(あかいとおどし)、紺糸縅(こんいとおどし)等の名があるように、鎧、兜は全体が縅毛(おどしげ)という組紐、房に覆われているがそのすべてが房師の手によって編み上げられ、組まれるのである。
紐を組むのにおよそ十工程、房を組むのに七工程、この房組はまったくの手づくり。

括り台の前に端座した房師は、まず松竹木管(まつたけもっかん)と湯ばれるものにかがり糸をかがって房頭を作り、これに縒(よ)り返し糸を組むことによって房の形を成す。
これに同色の組み紐をつけた後、あの優雅な総角(あげまき)結びを施す。

こうして作られた房、紐が、武久の鎧、兜に武具とは思えない優しさを醸し出すのである。

imageimage